〜体験を伝える〜下田 哲也

2026-3

2018年2月MCI(軽度認知障害)の診断

53歳でした。マレーシアで暮らして24 年が過ぎた頃、東京の上場企業にヘッドハントされ、シンガポール支社長として赴任しました。「新しく来たボスはおかしい」という現地社員の声を聞いた上司の常務に促され、現地の脳神経外科クリニックを受診し、物忘れテストでMCIと診断されました。MCIって何?物忘れテストのスコアが低い?水をたくさん飲め?自覚症状は無い、まだまだ頭は大丈夫だと思っていましたが、解雇されました。

翌年5月アルツハイマー型認知症と診断

その後、現地工場責任者として入社したマレーシア、ペナン州にある日系製造工場で、前任者との業務引継ぎ期間中に検査を促され、脳神経外科専門医を受診しました。脳MRI検査で萎縮を確認。アルツハイマー型認知症と診断されました。映像を見ながら頭蓋骨と脳との間に隙間がある萎縮状況を克明に説明されました。…確かに自分の脳が小さくなっている。だからいろいろな問題を引き起こしてきたのか!なるほど…ガッテン感が生まれてショックはあまり感じなかったです。「何故自分なのか?」しかし、「なってしまったのなら仕方がない。どうやってこれからを生きるかを考えよう・・・」という気持ちになれた映像でした。

故郷大分に帰国~今は、体験を伝える

新型コロナウイルス感染症の蔓延で故郷への帰国を決意。大分県支部が地元で「家族の集い」を開催しており、母親が参加し、病状に関するいろいろな情報に触れたことで、おだやかに接してくれるようになりました。私も入会し、毎月の会報が届くのを楽しみにしています。「認知症の人と家族の会」で認知症について多くのことを学び、母親をはじめ弟家族たちも病気を理解してくれたおかげで、おだやかに過ごすことができています。
現在は就労支援B型作業所に通所し、認知症以外の不調を抱えた幅広い年代の方たちと交流。みんな頑張って過ごしているのだなと思い、自分も更に落ち着いて過ごせるようになりました。2022年度に「大分県希望大使」に任命され、県内各地で「なる時はなる」「しかし、なっても大丈夫」という自分の体験を伝えています。

編集:中野 智之

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