2016年度・2017年度 全国の電話相談のまとめ

5.       対応

*対応は、相談内容の小分類に対する日々の対応を12の項目に整理し分類した。パターンは、この12項目の採択された組み合わせをいう。

1)   対応の累計総数とパターン

2016年度:累計総数は、全体が8,382件、支部が5,430件、本部が2,952件である。各々の受電件数から算出すると全体が1.2件、支部が1.3件、本部が1.0件であり、共に一人の対応は、平均1項目である。

パターンは、 全体で「449」、支部「436」、本部「151」で多様である。

2017年度:累計総数は、全体が10,352件、支部が7,588件、本部が2,764件である。 各々の受電件数から算出すると全体が1.2件、支部1.3件、本部が1.0件であり共に一人への対応は平均1項目である。

パターンは、 全体で「506」、支部「494」、本部「189」で多様である。

 

  • 一人の相談者への対応は、2年共に1項目であるが、パターン数は 支部が多く本部が少ない。その理由として、相談内容(小分類)の把握の方法と関連があり、相談員が相談を聴きながら主題の把握と記録法に違いあるかを含めて、検討が必要である。

 

2)   対応12項目

2016年度:12項目の対応の上位5位は、全体で「6精神的支援」「3症状対応」「8介護保険」「11医療」「7介護方法」である。支部と本部は、上位3位までの項目と最下位が同じ順位である。 が、それぞれの件数は支部の方が高い傾向にある。「6精神的支援」は、上位の1位に位置づけられているが、他の対応6、7、10位の組み合わせとしても位置づけられている。

2017年度:12項目の対応の上位5位は、全体で「6精神的支援」「介護保険」「1情報提供」「3症状対応」「11医療」である。支部と本部は、上位の1位「6精神的支援」と最下位「2認知症予防」が同じ順位である。 「6精神的支援」は、上位1位に位置づけられているが、他の対応8、9、10位の組み合わせとしても位置づけられている。

 

  • 2016年度と2017年度の比較では、1位「6精神的支援」と最下位「2認知症予防」が支部と本部共に同じ順位である。「6精神的支援」の対応が上位1位であるのは、前述の「小分類56項目」の「28話や気持ちを聴いて欲しい」「2家族・親族との関係・葛藤」の相談内容が上位1、2位であったことから、「6精神的支援」のような情緒的なサポートを求めていると考えられる。また「2認知症予防」の対応が最下位であるのは、「認知症かもしれない」という相談に、この「2認知症予防」に焦点を当て対応することが多い。しかしこのような相談は、本人からが多く、その受診率は2%以下に留まっている。一方で実際の電話相談時には、すでに確定診断を受けた要介護者の介護している相談者に「認知症が進行・悪化しないように」「認知症によるBPSDの予防」などについて、提案し対応している。したがい「2認知症予防」は、「MCI」の診断もなされるようになったこともあり、「2認知症進行・悪化予防」の表現に変更した方が良いと考えられる。

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