〜新しい認知症観に切り替えて〜高井 勝男
診断後の葛藤
2009年、軽い気持ちで物忘れ外来を受診して検査後、医師から下された診断は前頭側頭型とアルツハイマー型の混合型認知症でした。説明の際に医師の視線は家族ばかりに向いていて「どうせ認知症の者に説明をしても分からないだろう」と言われているようでむなしさを感じました。
医師にもどかしい思いを訴える度に、抗認知症薬の副作用などを抗精神病薬で抑えるマッチポンプ処方で、苦しみを伝えたら、「精神科に相談する?」と。この言葉に私はセカンドオピニオンを依頼しました。新たな医師の判断は、私の生活行動を考慮してくれて、MCI(軽度認知障害)との診断でした。
「認知症の人と家族の会」との出会い
前頭側頭型の易怒性の症状か、妻と些細なことでの口喧嘩が度々あり、そのストレスで妻は神経障害に困って、地域包括支援センターに行きました。相談して、初めて「認知症の人と家族の会」の存在を知りました。開催場所に行き、同じ立場の人たちと出会え、また私のプライドを尊重してくれるサポーターさんがいて、さっそく入会しました。
私たち当事者と家族たちは別々の部屋に分かれて話し合い、妻は元支部代表さんからパーソン・センタード・ケアを勧められたようでした。それから妻は私の意見に否定せず接してくれて、私は穏やかになれました。
新しい認知症観に切り替えて
2025年6月、三重県支部の推薦を受けて認知症希望大使に任命されました。各地で私の体験談、ピアサポート活動をしています。その後のアンケートで、参加者の評価を読むと、やりがいを感じます。
息子の応援(切符の手配、GPS でのフォロー)を受けて、一人で新幹線に乗って、皇居外苑の散策もしてきました。
私たちは、古い認知症観の偏見で足かせをはめられています。自ら新しい認知症観に切り替えて同じ境遇の仲間たちとの交流で、自分らしい希望を見つけて楽しく暮らしましょう。
編集:中野 智之