〜毎日が新しい一日の始まり〜藤井 六男

2026-6

すんなりと受け入れた診断

2015年7月、75歳の時に「アルツハイマー型認知症」と診断されました。
それ以前から物忘れはありましたが、年なのでこんなものかと感じていたので、妻も私も心配も不安もなく、すんなりと受け入れました。
私は1964 年(昭和39 年)の東京オリンピック、マラソンで金メダルだったエチオピアのアベベ選手の先導をした白バイ隊員でした。その時の情景は今でも忘れていません。警察学校時代、体を鍛えていたためか、今でも年齢の割には身体も丈夫ですし、背筋も伸びています。

写真で確認~デイサービスの記憶

現在は週3 回デイサービスに通っています。そこで何をしたのかは全く覚えていないのですが、デイサービスから持って帰る手帳には楽しそうに笑っている自分が写真に残っているので、その時は充実していたのだと思います。

妻手書きのメモ帳を携え散歩

デイサービスに行かない日は、散歩が日課になっています。途中、出会った方と挨拶を交わし、お話するのが大好きです。幸い、地域の方も私が認知症だということを知っていてくださるので、たまに帰り道が分からなくなった時には、「自分は認知症なので、帰り道を教えてください」と、近くにいる人に助けを求めることができます。聞くことが恥ずかしいとは思いません。ただ、私は自宅の住所・番地は言えるのですが、どこどこの近くといった目印(固有名詞)が分からないので、私が必ず持ち歩くメモ帳には、妻が自宅の地図と連絡先を書いてくれています。

毎日が新しい一日の始まり

認知症になって11年目ですが、着替え・入浴・排泄といった身の回りのことは全て自分ですることができます。
妻とドライブに行って美しい景色を見ると、自然と「きれいだね」と口から言葉が出ます。懐かしい歌を聞くと、なぜだか涙が出てきます。今の自分は、本当に幸せだと思っています。「自分は何も怖くないし、心配することもない」と心から思っています。毎日が新しい一日の始まりだと楽しみです。

編集:中野 智之

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