〜「くよくよしない」をモットーに〜中林 美子

2026-1

突然意識をなくして…

認知症グループホームの介護職員として働いていた7年前のある日のことです。夜勤から帰り、少し休んでから友人の所へ出かけるつもりでいました。ところが突然、意識をなくしたのでしょう。気づくと玄関で倒れていたのです。後日、総合病院で検査を受けた結果、アルツハイマー病の初期と告知されました。医師から、「仕事は辞めなさい」と言われたので、介護の仕事は退職しました。私は、認知症の母を長年介護した経験があったので、なぜか冷静に受け止められました。

夫の支えと「折り鶴」のリハビリ

夫も、何かあった時にすぐ対応できるようにと、長年営んできた理髪店をたたみ、融通のきく職種に転職しました。私は、家で一人過ごしていても手持ち無沙汰だし、リハビリになればと鶴を折り始めました。それも小さい鶴が脳を刺激していいかなと思い、折り紙を4つに切りコツコツ折って、少したまると「認知症の人と家族の会」に届けています。それで、毎年の世界アルツハイマーデー街頭啓発物品に、私の書いたメッセージと共に折り鶴を添えています。一体何羽の鶴が私の手から飛び立っていったのかわかりませんが、認知症の理解につながればいいなと祈っています。

「くよくよしない」をモットーに

小学校から高校まで同じ学校に通った親友には、認知症であることを伝えても、変わらぬ友情で誘ってくれ、本当に嬉しいです。徳島少年少女合唱団の1期生だった私は、今でも歌うことが大好きで、友人たちとのカラオケが楽しみです。
2025 年9月には、山中しのぶさんの講演の後に、大下支部代表と、とくしま希望大使の後藤美弥子さんと共に登壇し、自然の流れで話している自分がいました。話したことは忘れましたが、くよくよしないのがモットーの私。
今、私の折った折り鶴を千羽鶴にして広島に納めに行こうと、みんなで話しています。その時には、広島の当事者の皆さんにもお会いするのが夢です。

編集:中野 智之

 

ピックアップ記事