アフリカにおける認知症対策 ADI認知症戦略アフリカ地域会議を振り返る

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はじめに

今年11月、ボツワナ、ブルンジ、カメルーン、エチオピア、フランス、ガーナ、ケニア、マダガスカル、モーリシャス、ナイジェリア、セネガル、南アフリカ、ウガンダ、ジンバブエを含むアフリカ大陸の地域メンバーが、ケニアの首都ナイロビに集まり、同地域で認知症に対する認識を高め、行動を起こすための戦略を策定し、活性化させた。


ADIのアフリカ地域会議と地域メンバー会議は、”Let’s take action on dementia(認知症について行動を起こそう)”をテーマに、3日間にわたってインパクトのある内容で展開された。会議に続いて開催されたフランス語圏デーは、協力的な取り組み、啓発的な対話、力を与えるワークショップの舞台となった。アフリカにおける認知症の課題に取り組むという集団的コミットメントの真髄をとらえた。

開会式~初日~二日目

開会式は、国境を越えて共鳴し合う旅の始まりとなった。Alzheimer’s Dementia Organisation Kenyaの創設者兼CEOであるElizabeth Mutunga氏と、Uganda Alzheimer’s Associationの理事であるNoeline Nakasujja氏は、出席者、協会、保健大臣を温かく歓迎し、期待感を示した。ケニア保健省のレベッカ・キプトゥイ博士は、自身の認知症体験を深く個人的に語り、会議の感動的な雰囲気を盛り上げた。

この日は、介護者の力強い証言と、地域の専門家による洞察に満ちた研究発表で幕を開けた。アディスアベバ大学神経学助教授であり、アルツハイマー・エチオピアのCEO兼創設者であるヤレド・ゼウデ博士は、エチオピアの認知症政策について包括的な考察を行った。この会議の核となる使命は、ある介護者の体験に見事に集約されており、この会議に参加することの重要性と、知識を共有することで介護者仲間のネットワークがどのように力を与えられ、発言力を持つことができるかを強調した。

初日は、世界アルツハイマーレポート2023(2023 World Alzheimer Report)の寄稿者であるジョアンムトキキサンゼ(Joanne Muthoki Kithanze)氏によるクロージング・トークも行われた。

2日目には、参加者と講演者の間で、同盟と協力の精神が見られた。グラッドウェル・ワンジルと彼女の娘アンデルライン・ガキアは、認知症と共に生きること、そして介護について、勇敢で正直な話をし、その回復力で会場にいた人々を鼓舞した。ウガンダから事実上参加したSeggane Musisi教授は、アフリカにおける診断と治療の課題に光を当てた。

アフリカ・メンタルヘルス&トレーニング財団のプロジェクト・オフィサーであるレヴィ・ムイェラ氏は、ケニアの農村部における認知症スクリーニング・プログラムの結果を発表した。シルビア・ガキイ・キマティ・ムブグア博士は、診断と治療に関する神経科医の視点からの貴重な洞察を披露し、ジネット・ユアトゥ・トゥアヨン氏が指導するフィットネスが会議にホリスティックな側面を加えた。

最後は、認知症ボツワナのカゴ・パレディ(Kago Paledi)氏による最新情報と、主管者のエリザベス(Elizabeth)氏(ADOK)、ネオライン(Noeline)氏(UAA)、ウェンディウェイドナー(Wendy Weidner)氏(ADI)による総括セッションで締めくくられた。

フランス語圏の日

本会議に続いて開催された「フランス語圏の日」は、フランス語圏の国々の代表が一堂に会するユニークな場となった。ブルンジ、カメルーン、フランス、マダガスカル、モーリシャス、セネガル、そしてマリとチュニジアの代表が、それぞれの母国語でディスカッションを行った。この日は、フランス語圏アフリカにおける認知症患者と治療の現状について重要な意見交換が行われ、これらの国々の協力的な戦略への道が開かれた。

まとめ

この一連のイベントは、アフリカ大陸の認知症対策の取り組みにとって重要な節目となった。このイベントから、行動への集団的な呼びかけが明確になった。#TakeActionOnDementiaは、単なる命令的な声明ではなく、協力と団結の呼びかけを意味した。ナイロビで開催されたアフリカ地域会議、会議、フランス語圏デーは、単なる集まりではなく、変革のための触媒であり、経験を共有するためのプラットフォームであり、認知症が理解、思いやり、効果的なケアで満たされる未来へのコミットメントであった。このイベントの反響は、参加者を鼓舞し、活力を与え続け、私たちが認知症の課題に対して意味のある影響を与えることができることを思い出させてくれる。

私たちとともに、認知症に対して行動を起こそう。

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