ウクライナへの軍事侵攻に関するADIメッセージ
国際アルツハイマー病協会(Alzheimer’s Disease International、ADI、本部:ロンドン)は、ロシアのウクライナへの軍事侵攻により、人道危機が拡大している状況について、全世界の協会に対してメッセージを発信しました。
親愛なるADI メンバーの皆さんへ
親愛なるADI メンバーの皆さんへ。
ご存じのように、ロシアのウクライナへの軍事侵攻により、人道危機がここ数日の間に予期せぬ速さで拡大しています。
人々は、爆撃から逃れるため、国境を越えて、隣接する国々に逃れたり、シェルターや地下鉄駅に避難しています。そしてその中には、認知症の人やその介護者の方々がいます。
人道危機が起こるたびに、私たちは、医療サービスの不足、安全確保や福祉の問題、大きな環境の変化という、深刻な問題に直面します。
この間、ADIには、多くの皆さんから状況の確認や支援の申し出が寄せられ、心より感謝しています。
ウクライナの認知症協会について
ADIはウクライナの認知症協会「Nezabutni (=ウクライナ語で「忘れられない」の意味)」の設立者アイリーナ・シェフチェンコさん(Irina Shevchenko)と定期的に連絡を取っています。同協会は、今年ADI のメンバーになるためのプログラムに参加する予定です。
彼女は家族とともに、今日無事に、ポーランドとの国境を超えることができました。
ADIの取り組み
ADI は、2019年5月に発刊した 「危機の中での認知症の人への人道的な対応報告書」を彼女と周辺国のアルツハイマー協会に送りました。
このレポートに関する資料などを用意して、皆さんにも届けられるように作業を進めています。
ADIは来週、アイリーナさんと周辺地域の協会と連絡を取り、この危機的な状況の中で、認知症の人とその家族への最良の支援方法について検討します。また、この危機の中で、最も弱い立場にある人々への対応を調整しているWHOとも協働しています。
支援について
支援をしたいと考えている方は、国際機関への寄付をしたり、ご自身の国でのボランティアをされるように提案します。
ここ数日間にいただいた支援の申し出に重ねて感謝します。皆さんのご厚意は、世界中のADIの仲間が国境を越えて、いつどんな時でも 強くつながっていることを示してくれました。
ローラ・ダバス(Laura Dab)
ADIメンバーシップ担当部長・メンバーシップ推進プログラム主任
Alzheimer’s Disease International
【事務局補足】
- 現在のところ、ウクライナの認知症に関する協会は、ADIの正式な加盟団体(メンバー)ではありませんが、ADIからのメッセージにある通り、加盟のための準備段階にあります。
- 中見出しは事務局により付与しています。
●参考リンク
このレポートでは、戦争や紛争時における人道的危機的状況において、認知症の人とその家族への支援をどのように行うべきかについての報告書です。各国政府や人道支援団体に対して、このような状況下において認知症の人とその家族が取り残されないよう、働きかけるものです。