認知症にやさしい異業種連携協議会
設置のきっかけ
京都府では、行政主導ではなく、医療・介護関係者や行政が連携のもと、認知症総合対策推進計画「京都式・オレンジプラン」を策定し、認知症施策を推進してきました。
しかし、「京都式オレンジプラン」に掲げる「認知症になっても本人の意思が尊重され、安心して暮らし続けられる社会」の実現には、医療・介護関係者、行政だけでなく、地域で高齢者や認知症の方と関わる様々な業種の企業にも認知症施策に主体的に関わっていただくことが必要です。
そのため、2019年6月に、金融機関、スーパー等、高齢者や認知症の方に身近なサービスを提供する19企業とともに、認知症にやさしいサービスを検討し、実践する組織「認知症にやさしい異業種連携協議会」を設置しました。
認知症にやさしい異業種連携共同宣言の策定
協議会では、多様な業種の企業が高齢者や認知症のお客様の現状やサービス提供の課題などを出し合い、認知症の方や家族、医療・介護関係者からお話を聴きながら、「認知症にやさしい異業種連携共同宣言」を取りまとめました。
この共同宣言は、認知症になっても自分の意思が尊重され、安心して暮らし続けられる社会を実現するため、企業が取り組むべき行動についてまとめたものです。
協議会では、この共同宣言の趣旨に賛同する企業を募集しており、2021年2月末現在、51企業が賛同し、協議会に参画しています。
共同宣言のうち、「多様な認知症の方々の声を聴きます」については、全ての協議会参画企業が目指すものとして掲げています。
その上で、各企業の業種・業態等に応じ、1~10の共同宣言を選択して実践を目指します。
各企業の共同宣言に基づく実践を収集し、協議会のサイトやシンポジウムなどにおいて発信し、認知症の方やご家族などにお知らせするとともに、認知症にやさしいサービスの検討と実践に向けた企業の意識の醸成を図っていきます。
認知症にやさしい異業種連携共同宣言
(2020年3月 認知症にやさしい異業種連携協議会策定)
○多様な認知症の方々の声を聴きます
1.認知症を知ることからはじめます
2.認知症の方一人ひとりの想いの実現に向けて行動します
3.医療・介護のよりよい利用を支えます
4.認知症になっても社会の担い手として活躍することを応援します
5.認知症になっても楽しめるエンターテインメントを届けます
6.若年性認知症の方への新たなサービスを創出します
7.認知症の方を支える人たちを応援します
8.様々なツールを活用し、役立つ情報を届けます
9.認知機能の低下に備える社会づくりに貢献します
10.業種を超えて連携します
認知症にやさしいサービスアイデアの検討
協議会のメンバーが異業種で構成される5つのチームに分かれ、自由に認知症にやさしいサービスアイデアの検討を行うという試行を実施しました。
「社会保障費の圧縮で得た財源による認知症共生のサービスの提供」や「認知症の方が利用できるポイントシステム」「空き家を利用した多世代交流拠点の想像」などのサービスアイデアが生まれ、審査委員とオーディエンスの投票により一位を決める発表会も実施しました。
この検討の中から、サービスアイデアの実現に向けた実証事業も始まっています。
2021年度は、共同宣言の実現に資するテーマを複数設定し、テーマごとに企業を募集して、サービスアイデアの検討を行なうワークショップを実施する予定です。
今後の取組
下記の(1)~(6)の取組を進め、京都において、企業が認知症の方や家族、医療・介護関係者、行政などと連携しながら認知症にやさしいサービスが数多く生まれる環境の創出を進めていきます。
(1)認知症にやさしい異業種連携共同宣言の普及及び実践の促進
(2)認知症に関する学びや認知症当事者(本人及び家族)の声を聴く会
の開催
(3)異業種交流及びマッチング支援
(4)認知症にやさしいモノやサービスの検討と実践
(5)活動報告会やシンポジウム等の開催
(6)その他協議会の目的の達成に資する取組
【団体のプロフィール】
京都府健康福祉部高齢者支援課
京都府では、医療・福祉関係者、行政などが連携して、認知症総合対策推進計画「京都式・オレンジプラン」を策定し、認知症施策を推進しています。
認知症の人や家族が望む社会の姿を認知症のご本人を主語とした「10のアイメッセージ」評価指標として、認知症になっても本人の意思が尊重され、住み慣れた地域で暮らし続けられる社会の実現を目指します。
【公開連絡先】
メールアドレス
houkatu5@pref.kyoto.lg.jp
認知症にやさしい異業種連携協議会 公式サイト(京都府ホームページ内)
http://www.pref.kyoto.jp/kourei-engo/181210.html