共生社会の実現に 向けて ~異文化のなかでの高齢化~

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「カウンターポイント ジャパン」とは

 異文化の中での高齢化の課題に取り組むカウンターポイント ジャパン(Counterpoint Japan)が任意団体として活動しています。メンバーは、海外から日本にやってきて、長年にわたり、教育、文化等様々な分野で社会に貢献した後、高齢期を迎え、生涯を日本で過ごそうと考えている人々です。

 カウンターポイントという名前には、多様な背景を持つ人々の知識や関心が融合し、より素晴らしいものを生み出すという意味が込められています。その名前のように、日本全国からの参加者は約180人、18の国籍を持ち、 第1言語の数は12にわたります。日本の研究者や関心を寄せる人々も加わっています。

参加者が抱える課題と取組み

 異文化の中で高齢を迎えている人々は、これまで、日本国民と同じように、納税や保険料の納付など市民としての義務を果たしてきたにもか かわらず、医療、介護、福祉等のサービスの情報やサービスが受けにくいというのが現状です。
また、認知症等の疾患も関連して、これまでに習得した日本語でのコミュニケーションにも不具合が生じるといったことも起こります。

 カウンターポイントは、このような課題について、日本のメンバーとともに、解決策を考え、言語、文化が異なっても安心して暮らせる共生社会の実現をめざしています。現在の活動は、月1回のミーティング(対面とオンライン)、日本の多団体とのネットワークづくり、ホームページによる広報や情報提供や交流、またウォーキングやダンスイベント、読書会などを開催しています。

ベニシアさんとの交流に学んだこと〜共生社会の実現に向けて

代表のアマンダさんは、「私たちは、TV 等でも活躍された後、認知症を発症された故ベニシア・スタンリー・スミスさんのケアに関わったことから、母国語を話し、文化的背景を理解することがどんなに大切かということを学びました」と自らの経験を話してくれました。

今後、社会の国際化は、私たちの身近なところで進み、日本人が、海外で高齢期を迎え、異文化の中で生涯を過ごすことも増えることでしょう。 背景や心身の状況がさまざまであっても、最期まで「その人らしい暮らし」が実現できるように、 それぞれの立場で、関心をもち、関わることが本当の意味の共生社会の実現につながるのだと考えます。

カウンターポイントのホームページ https://counterpointjapan.wixsite.com/my-site-6

カウンターポイント代表 アマンダ・ギリス・フルタカさん

イギリス生まれ、ヨーロッパ、南米、中国など各国で英語 教育に携わる。
1988年から33年間、京都の大学にて 教鞭をとり現在、名誉教授。

 

認知症の人と家族の会 会報ぽ~れぽ~れ「7月号地球家族パートⅡ」より
国際交流専門委員 鷲巣 典代

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