〜私らしく生きている〜大城 勝史

様々な症状に襲われ、途方に暮れていた
営業マンとして働いているとき、様々な症状に襲われました。顔と名前を覚えることができない、自宅周辺でも道に迷う、前日のことを覚えていない、会話中にも記憶が消えるなどです。最初はうつ病を疑い、心療内科を2カ所受診するも「異常なし」と言われて途方に暮れていました。仕事を辞めようと思っているとき、耳鼻科の先生に何気に相談すると「脳に問題があるかも」と、検査を受けるよう勧められ、不調の原因が病と知りました。
2015年に若年性アルツハイマー病の診断
2012年、脳炎(抗グルタミン酸受容体抗体脳炎)と若年性アルツハイマー病、2つの病の可能性があると診断。脳炎の治療を優先的に行い、障害者職業センターで訓練も受けて、営業マンに復帰すると、必死に頑張っていましたが、2015年、若年性アルツハイマー病と診断されました。診断が変わったとき絶望しました。数年で寝たきり、家族に迷惑をかける、最後は自分のことも分からなくなる・・・仕事も失い、子育て・生活費を妻一人に負担をかけてしまう・・・離婚したほうが妻も楽かな、と考えるようになりました。
引きこもる中、家族会に誘われて
家にひきこもり、自暴自棄になっている私に、家族会からお誘いがあり“しぶしぶ”参加しましたが、それが立ち直るきっかけとなりました。同じ病の仲間が笑顔で色々なことを話してくれて、私もこの人のようになりたい、と思うようになり、徐々に前向きな気持ちへ変わっていきました。
診断から10年、私らしく生きている
診断から10年経ちますが、たくさんの人の支えがあって、今の私がいます。私らしく生きています。仕事も続けて、休みは同士会(月1回仲間と集まる会)やラジオ(月1回)、趣味のアーチェリー(日曜日・祝祭日)を楽しんでいます。ブログも続けて6,000回を超えました。仲間との共通の悩みは移動手段、タクシーは高くて利用できない。外出・移動支援があったらいいなと話しています。
全国の仲間へ
私達は日々の生活で多くの困難に直面しますが、仲間がいます。支えてくれる人が近くにいるので大丈夫、安心してください。できることを一緒にゆっくり続けていきましょう。笑顔、感謝を忘れずにいきましょう。
編集:中野 智之