〜できることはたくさんある〜今村 雅弘

診断結果より、車の運転ができないことがショック
62歳で診断されたとき、「何で俺が?」という思いはありましたが、認知症の母親が穏やかに過ごしている姿を見ていたので認知症に対するマイナスのイメージがあまりなく、それ程落ち込むことはありませんでした。診断自体より、「車の運転ができない」と言われたことに非常に落胆しました。
「家族の会」の交流会に参加して仲間もできた
診断をうけた病院から若年性認知症支援コーディネーターを紹介してもらい、「認知症の人と家族の会」を知り、「みどりの小路」~本人・家族交流会に毎月参加するようになりました。
交流会では、歌ったり、スポーツをしたり、おしゃべりをしたりして楽しんでいます。そこに行ったら、同じ診断を受けた人と共に頑張ろうと思えるし、自分も勇気を与えることができるかもしれないと思っています。「家族の会」で知り合ったご夫婦とは、講演会に行ったり、一緒に食事をしたりして交流を深めています。
新たな挑戦も
診断後、新たに始めたのは、仏像彫刻のレリーフ作り。妻と一緒に月2回カルチャーセンターに通っています。新しいことを覚えにくいので、習得するのに時間がかかるのですが、工夫することで何とか仕上げています。2024年は、作品展に出展できました。
できることはたくさんある
今でも落ち込む時と、負けてたまるかという気持ちで、揺れ動く時があります。でも、「人はいつ死ぬか分からないから、今できることを家族と楽しみたい。診断を受けて制約があるのは、認知症だけではない。先日も運転できなくても公共の交通機関で遠出ができた。まだできることが沢山ある。」と感じています。また、自分の体験談を話すことで、専門職の方々の役に立ったり、まだ診断されて間もない方々に仲間がいることを知ってもらう機会になればと思っています。
編集:中野 智之