〜活動センター「WORKS あい」のみんなに救われた〜後藤 美弥子
前頭葉に靄もやがかかったよう
児童養護施設を会場に、17年間続けてきた子育て支援のボランティアが、新型コロナ禍のために中止を余儀なくされました。その後、家で悶々と過ごすうちに、前頭葉に靄がかかったようで、抑うつ状態になってしまいました。それで、同居の息子と一緒に病院を受診。私はまだそうではないと思ったのですが、アルツハイマー型認知症と診断され、さらに落ち込んでしまいました。
活動センター「WORKS あい」のみんなに救われた
かつて、子育て支援を共に行っていた友人が、そうした私の様子を心配して、地域包括支援センターに相談し、「認知症の人とみんなの活動センターWORKS あい」を紹介されました。そこに不安いっぱいで体験参加したので、かなり暗い表情をしていたのでしょう。「あの時の後藤さんは、お通夜帰りのように暗かった」と後々までみんなが語るほどに、
暗さが印象深かったようです。
しかし、通ううちに、みんなと打ち解け、ジョークを言って笑い合い、頭の靄が徐々に晴れていくのを感じました。私はセンターのみんなに救われたと、ほんとうに実感しています。人は、やはり人同士が集まる場所で会話することが大事だと思います。孤独で過ごすのはよくないと、精神科看護を教え学んできたことから思い返しています。
生活にリズムを取り戻す
今は、センターに通うことが、ささやかな喜びです。何より、気を遣わないセンターの雰囲気がとてもいいですし、家族も私が明るくなったと喜んでいます。
週1回、みんなと会うことで、生活にリズムを取り戻すことができました。ゴミ出しや家の掃除、読書など、忘れかけていたことが復活できたのです。とりわけ一番の趣味だった読書は、若い時に揃えた文学全集を再読する目標を立てました。
とくしま希望大使を拝命
「何時もスーツ姿なのはなぜ?」と聞かれましたが、やはり、公の場ではきちんとしていたいと思っています。昨年、みんなからの推薦で、島田豊彰さんと共に「とくしま希望大使」に任命されました。お役に立つことができればと引き受けたのですが、高齢であちこちに行くのは難しいので、私にできる範囲で役割を果たそうと思っています。
編集:中野 智之