〜仲間を作り、楽しく、自分らしく〜近藤 葉子

2025-07

何度も始末書を書かされて・・・

私は、2011年、51歳でアルツハイマー型認知症と診断されました。水道メーター検針の仕事をしていましたが、いつからか覚えていたメーターの位置が分からなくなり、約束の時間を忘れて行けなくなりました。ご迷惑をおかけし、何度も始末書を書きました。ショックでした。できなくなった自分を責めて、落ち込んでいました。

もしや、と受診したら、信頼できる医師と出会った

私の母も認知症を患っていたため、もしや、と思い、病院に行きました。そこで、先生は、丁寧に教えてくださいました。「近藤さんのせいじゃないよ。脳の病気がそうさせているんだよ」。先生の言葉で救われました。「私のせいじゃない」と、ホッとしました。
悩んでいた仕事も、先生は「続けられるまで続けたほうがいいよ」と、言ってくださいました。仕事は契約が切れるまで続け、契約が切れたところで辞めました。仕事を失い、社会と切り離され、居場所がなくなったと感じました。

医師の勧めで、居場所につながった

その時、先生から若年性認知症の会があることを聞き、「あゆみの会」に行きました。私と同じような思いをしている人たちと出会い、ここが私の居場所だと思いました。
やがて、若年性認知症の人が通えるデイサービスへ行くようになりました。みなさんと話したり、食事をしたり、お出かけをして、楽しく活動しています。また、若年性認知症の会「元気かい」に誘ってもらい、参加するようになり、仲間が増えました。

仲間を作り、楽しく、自分らしく

ボランティアで、認知症カフェのお手伝いにも行きます。いきいき支援センター※の集いにも行きます。愛知県認知症希望大使になったことで、認知症の啓発活動をし、いろいろなところで当事者の思いをお話ししています。
今の私は、仲間を作り、楽しく、自分らしく生きています。認知症になっても、安心できるまちをつくるために、今の自分ができることを続けていきたいと思います。
※いきいき支援センター:名古屋市内の地域包括支援センター

編集:中野 智之

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